60'sサイケデリックを“クラフトワーク”で表現したエトロ【2018春夏メンズ】

2017.07

エトロ(ETRO)の2018年春夏メンズコレクションが6月18日、ミラノの本社ショールームにおいてインスタレーション形式で発表された。連日猛暑が続くミラノを予測したわけではないだろうが、テーマは「インディアンサマー」。中庭には南インドのリゾート地、ゴアのパーティーを思わせる設えを施し、シタールの演奏も。1月に発表された2017-18年秋冬シーズンの精神世界と山をテーマにしたコレクションに引き続き、サイケデリック世代へ捧げたオマージュともいえるエキシビションとなった。

ミラノ本社の中庭で行われたエキシビションのエントランス

コレクションは、クリエイティブディレクター、キーン・エトロの祖父にインスパイアされている。祖父はテキスタイルディーラーであり、インドの乾季の間、当時のマドラスに滞在。機を織る地元の職人と交流し、日々を過ごしたという。エトロは今シーズン、その当時のファブリックの特徴を根気よく、イタリアで再現することに努めた。さらにキーンはエトロの創業者である父のジンモ・エトロを60年代のサイケデリックのアイコン、ジミ・ヘンドリックスのポップアートに重ね合わせ、大胆にも“ジンモ・ヘンドリックス”としてTシャツのモデルに起用。Tシャツはプリントではなく、織物とスパンコールで描かれている。

エトロの象徴であるペイズリーの発祥の地がインドであることからフォーカスされた今回のスピリチュアルなテーマは、牛や象、サイケデリックなカエルなどのインドの神様が各アイテムのモチーフとして登場する。先シーズンからのミラノメンズのトレンドとして浮上している「タリスマン(お守り)」である。

フォーマルなスーツの提案は影を潜め、60年代のエトロのアーカイブパターンをフィーチャーしたペイズリーのコットンのスーツやリネンのジャケット、コットンリネン、リネンビスコースなど手織りのラフなテクスチャーな素材が中心。オーガニック染料を思わせるオーバーダイのアイテムも並ぶ。極めつけはシルバーのペイズリー柄をビーズで装飾したタキシード。それもインフォーマルとしての提案だ。

グレンチェックのジャケットの背中には、象の刺繍のタペストリーがパッチワークされ、ミリタリージャケットの背中にもメタルスタッズで象が描かれている。ハンドメイドのオーナメントが各アイテムを装飾しており、手描きのペイズリーやフラワー、曼荼羅の刺繍のワッペン、バンドカラーのシャツやカフタンなど60年代のヴィンテージアイテムを彷彿させる。

ボトムはリネンやコットンブークレのイージーパンツ、刺繍が施されたデニムにレザーのエスパードリーユにも手描きが施され、スエードのペイズリー柄のモカシン風スニーカーなど、オフスタイルを徹底的にゴージャスなハンドメイドで仕上げたエトロの新時代に向けたステイトメントを感じさせるコレクションとなった。

Text: Tatsuya Noda
野田達哉

記事提供元
FASHION HEADLINE

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